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江州音頭とPA

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項目

gp05-01 [小学校運動会の江州音頭で CSX10P の実力テスト]
gp05-02 [竜王町ドラゴンハットでの秋の収穫祭でPA]
gp05-03 [SPケーブルの種類と長さによるSP出力とDFへの影響]
gp05_04 [パワーアンプの入力感度と出力について]
gp05_05 [石山寺納涼盆踊りの音響を終えて]
gp05_06 [SHARK FBQ100 をテストする]

 

[小学校運動会の江州音頭で CSX10P の実力テスト]

作成:2014年09月28日

私の地元の小学校では、かなり以前から、運動会に江州音頭の踊りがプログラムとして取り入れられてきました。踊りを指導をされている方と我が町内江州音頭のメンバーがたまたま知り合いで、生の江州音頭で生徒に踊ってもらったらどうかという話になり、校長先生はじめ関係する先生方の理解もあり、今年で4回目の出演となりました。なんといっても、700名以上の生徒達がグランドいっぱいに3重の輪を作り、更にその中に老人会や父兄の方達が輪を作って踊ってくれるのは壮観です。わずか10分若の演奏ですが、町内音頭取チームとしても毎年の重要行事として大切に続けていきたいものと思っています。

また、本番に備えて低学年の生徒さんには、事前に体育館で踊りの練習授業が行われます。この時は十分な時間があるので、本番に出演しない音頭取も練習を兼ねて音頭を取ることにしています。舞台の上で 100名以上の生徒さんや先生方の前で音頭を取るのも舞台度胸を養うのに大変役立つものと思っています。

で。。。その時の PA の話になるわけですが、体育館での練習時も、運動会本番でも PA機材は持ち込みに拘っています。踊りを指導される方がヘッドセットマイクがお気に入り(手が自由に使えて、声が良く届く)だとか、音頭用のマイク(有線&無線)、マイクスタンド、コンプレッサー使用、音量などを総合的に勘案すると、やはり江州音頭に最適な PA機材を持ち込むのがベストなのです。特に本番では学校のスピーカーだけでは音量不足なので、持ち込み機材(マイク、ミキサー、GEQ)から学校の放送機材(ミキサー、アンプ、スピーカー)につなぐと同時に、アンプ、スピーカーも持ち込んで広い運動場のどの場所にも適切な音が届くよう心がけています。

実はこの準備が一番大変で、早朝から機材を運動場に運び込み、一人でセッティングするのはまだしも、テスト後にスピーカーや配線は一旦引っ込めて、本番前のたった5分程で再セッティングするという離れ業をやらなければならないのです。ですから、スピーカーは軽量で取扱いが楽なもの(しかしパワーは大きく)に、配線はできるだけ少なく、短くするといった周到な計画が欠かせません。まあこれは、PA を知らない人にはほとんど関係のない話なのですが。。。。

ということで、ようやく本題です。昨年までは体育館での練習には CLASSIC PRO CP600(パワーアンプ)と CSP10(スピーカー)2本を使っていました。小学校の体育館なので、音量はこれで十分なのですが、今年は手を抜いて CSP10P(パワード)1本で行こうかなと思案していました。しかしやっぱりちょっとパワー不足かもしれません。もう少しパワーのあるパワードSP がないかとサウンドハウスを物色していて、CSX10P が目につきました。CSX10P は 550W Dクラスアンプ付、最大音圧 124dB ですから、CSP10P に比べてパワーで3倍以上、最大音圧は +7dB、10インチSP としてはかなりの能力です。音圧だけなら、これ1本で CSP10(最大音圧 119dB) 2本以上の能力があります。もちろん2本使いに比べると音のカバー範囲が狭くなるでしょうが。

さっそく気持ちが変わらない内にと注文してしまいました。体育館での使用感はかなり良い印象でした。アッテネーターは 3時だとちょっと音が大きく、もう少し小さくしてくださいと言われたので 2時で十分です。音質は CSP10P に比べて高音のきつさがなく、引き締まった低音が良く出ています。これはなかなかの優れものですね。運動会本番は、学校のスピーカーをグランドの両端に2本、CSX10P を中央、CSP10 をその中間に 2本と合計 5本使う計画でしたが、テストしてみると、両端の学校の SP 2本と、中央の CSX10P 1本だけで適切な音量が確保できました。CSX10P のアッテネータはテストでは 2時で OK、本番は 3時に設定です。これで、多分十分な音量でエリアをカバーできたと思います。配線は 10m の電源ケーブル1本と XLRケーブル1本だけ、演奏場所のすぐ横にセットするだけですから本番直前の再セッティングも超簡単でした。このパワードSP は手放せなくなりそうです。

下は、CSX10P の正面と背面の写真です。サウンドハウスさんのサイトにも写真はあるので、あえて掲載する意味はあんまりないのですが。。。。

CSP10P正面写真   CSP10P裏面写真

ところで、CSX10P の仕様に関してですが、商品に付いてきたマニュアル書(英語版)では、特徴としてキャビネット素材は PVC(塩ビ)、パワーは 450W と記載されている一方、仕様欄には最大音圧 129dB、出力 550W、キャビネット素材はポリプロピレンと書かれています。またサウンドハウスのサイトの方は、出力 550W、最大音圧 124dB と書かれていて、仕様に関する記載がもう支離滅裂ですね。どれが本当なの。。。。

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[竜王町ドラゴンハットでの秋の収穫祭でPA]

作成:2014年11月05日
更新:2015年01月23日

11月3日、滋賀県竜王町にある「竜王町ドラゴンハット」での秋の収穫祭で PA を引き受けました。「竜王町ドラゴンハット」は屋根付きのグランドで、広さは、幅67m、長さが100m あります。相当な広さですが、実際のイベントはその一部を使用し、幅40m、奥行60m程度の広さでした。とは言え、初めて体験する広い会場です。内部はこんな感じです。

ドラゴンハット内部写真   事前情報では、体育館などと同様かなりの反響・残響があると聞いていたのですが、ステージ前(メイン)とステージから 25m程の場所(サイド)にスピーカーを左右一対、それとステージ用のモニター 1本を設置する以外は特別な対策は考えていませんでした。事前準備として、メインSP(450W x 2)(ステレオ)はまあ良いとして、サイドSP のパワーをどう確保するか色々思案しました。手持ちの PWアンプは CP600(200W x 2)しかありません。これに CSP10 2本を両チャンネルに繋いで左サイドSPとし、右サイドSPは、CSX10P(550W Pwd)としました(いずれもモノラル送り)。これなら出力のアンバランスもあまり生じないだろうと考えた次第です。レイアウトは下図のような感じで、まあ形はできました。

問題は引き回しのケーブルです。左サイドSPの SPケーブルは 30〜40m が2本、右サイドSPのバランスラインケーブルは 50〜60m は必要です。この規模のPAをやるならどうせまた必要ですから、SPケーブル20m を 2本、バランスラインケーブル33m を 3本追加しました。ケーブルはもちろん CANARE を使用、コネクターを購入しての自作です。

ついでに、機材構成を紹介しておきます。

有線マイク :SHURE SM58 3本
      :SHURE SM57 1本
ワイヤレス :SHURE PG58 2本(ハンドマイク)
      :SHURE PG30 2本(ヘッドセット)
送受信機  :SHURE SVX1/SVX4 各2台
DI     :BEHRINGER DI100 1台
CD/テープ  :SONY CFD-S05
ノイズゲート:BEHRINGER	HD400
カラオケ  :MEDIACOM TKR301J
MAIN MIXER :SOUNDCRAFT EFX8
SUB  MIXER :YAMAHA MG82CX(サブ出力用)
COMP/LIMITER:BEHRINGER	MDX4600(4CH)
GEQ /LIMITER:BEHRINGER	DEQ1024
PW AMP(MAIN):CLASSIC PRO CP1200(450W x 2)
PW AMP(SUB) :CLASSIC PRO CP600 (200W x 2)
MAIN SP   :ELECTRO-VOICE ZX4 x 2
SUB SP   :CLASSIC PRO CSP10 x 2
      :CLASSIC PRO CSX10P(550W Pwd)
MONITOR SP :CLASSIC PRO CSP10P(150W Pwd)
映像モニター:GAUDI GHV-PDV100K(10インチ)
       ZOX  DS-PT761BK ( 7インチ)
ドラゴンハットレイアウト  

参考までに機材の配置と接続経路を以下に示します。

ドラゴンハット機材配置・接続図

ステージ幅は 10m程度、音響ブースはステージ下手(客席から見て左)、ステージ前の PwdSP(150W) はステージ用モニター、メインSP(ステレオ)はステージ前左右 、ステージから手前に 30m 程の距離に 右サイドは PwdSP(550W)、左サイドはサブSP(200W x 2)という構成です。本当はこのサイドSP は左右同じものにしたいのですが、機材・ケーブルや電源の制約で片側はラインケーブル(60m〜100m)送り、片側はSPケーブル(40m x 2本)送りにしています。サイドSP の前ではメインSP の音が0.1秒程度遅れて聞こえてしまいますが、少しディレイがかかった程度なので、実用上問題はなさそうです。ステージ用モニターのパワーが小さいのは仕方のない選択ですが、今後の課題ですね。

うーん、機材の数は半端ではないです。これにマイクスタンド6本、SPスタンド5本、ケーブル類(電源、ライン、SP用)を加えてマツダのベリーサに積み込むには、最密充填に近い積載方法を工夫しないといけないのです。結構大変でした。そして、もう一つ大変で絶対失敗が許されないのが機材の接続です。マイク・ラインケーブルだけでも40本近い数になります。1時間半程度の準備時間しかないと、もう完全にぶっつけ本番となります。うーん、もう少しゆとりを持ってセッティングしたいのですが、開門時間の制約で致し方ないですね。

言い訳はともあれ、いくつかの失敗を反省をこめて紹介します。

まずは、絶対やってはいけない接続ミス。GEQ と PW AMP(MAIN)/Lチャンネルの接続を間違ってしまいました。MAIN SP(L) の音が出ていないのにすぐ気が付いたのですが、接続ミスに気付くのに30分ほどかかりました。修正は、ステージの合間を狙って数十秒で完了。なんとか事なきを得ました。接続ミスはもう一つ。SUB MIXER の AUX OUT と MONITOR SP の接続です。AUX OUT(フォン端子) と FOOTスイッチ用フォン端子を取り違えて接続。MONITOR SP から音が出ません。これもすぐに気が付いたので実害はありませんでした。どちらもテスト時間が取れなかったことが敗因でした。

次は、PW AMP(SUB)の片チャンネルに保護回路が作動、パワーをかけられません。うーん。。。これは PW AMP の故障としか考えられないと思い、そのまま片チャンネル(200W)運転せざるを得ませんでした。まあ、片チャンネル200W で出音できたので苦情にはなりませんでしたけど。。。。これ、実は相当危ないミスであったことが後で判りました。SPケーブルの引き回しを手伝ってくれたイベントの担当者に SPケーブルの延長を頼んだのですが、中継コネクタを手渡しして説明するのをついつい忘れてしまい、どう思い違いしたのか、スピコンからケーブルを無理に引っ張って抜こうとしていたのです。

すぐに制止しましたが、パッと見の外見ではどうもなさそうだったので、そのままそのケーブルを使用したのが失敗でした。帰ってからチェックすると、+側の線が外れて、わずかにグランド線に接触していました。アンプの保護回路がこれを検出して、出力をストップしたのですね。幸いアンプもスピーカーも無事だったので良かった良かったと胸をなでおろした次第です。

反省は、ゝ〆爐良塒廚弊楝蓋捗蠅魯咼法璽襯董璽廚派印すること。∩瓦の素人に手伝ってもらう時は、けっして接続作業は頼まないこと。少しでも異常な処置をした時は、万が一の故障を想定して、より安全な方策をとること(今回の場合は、SPケーブルの取り換え)。以上は、後から考えると当たり前のことなのですが、念には念を入れよです。

ということで、いくつかの失敗はあったものの致命的なトラブルにはならず、なんとか無事終了しました。プログラムは、よさこいソーラン(CD)、歌謡舞踊(CD、テープ)、ドジョウすくい(CD)、ポップスバンド(モノライン入力)、ガマの油売り口上(ヘッドセットマイク)、カラオケ(伴奏音源、マイク)、江州音頭(マイク)などですが、女性ボーカルの高音が非常に豊かで綺麗に採れたのには関心しました。カラオケもばっちり(エコーの必要なし)。やっぱり SOUNDCRAFT MIXER と COMP の効果有ですね。ちょっと残念なのは江州音頭でした。音頭取の声量が半端ではないのと、音量を絞ると必ず上げろと言われます。さらにまずいことにエレキ伴奏が音頭取同様に頑張ってしまうので、反響・残響が重なると全く音の判別がつかない状態で、バランスのとりようもありません。こんな会場では、ヘッドホンモニターが必要ですね。次回はヘッドホンを持ち込まないと。。。。

最後に反響・残響対策について。PA機材で反響・残響を防止するのはどだい無理なのですが、今回のSPレイアウトは一応対策として有効だったようです。メインSPの音量を絞り、後方はサイドSPでカバーする方式です。残念なのは、もっとメインSPの音量を絞りたかったのですが、演者はどうしても音量を欲しがるのでそれに応えるしかないですね。もう一つは、SPを低く、やや下向きにセッティングする手があるようです。どの程度効果があるのか次回にチャンスがあれば試そうと思います。

来年もまた依頼が来そうだし、これ以外にも同規模の屋外イベントの依頼もあるので、今回の経験は大変勉強になりました。高級機材は使わなくても、より良い音を届けてイベントに参加される方達を喜ばせたいものと思う次第です。

[その後 2014.11.09]

ケーブル類を綺麗に拭く作業も終わり、元通りに収納ボックスに分類収納が完了しました。念のためにと SPケーブルのスピコン結線を確かめてみると 2本程結線が緩んでいました。うーん、これはいかん。全部増し締めし直しました。スピコンの結線ネジは何度も使用していると緩むんですね。今後の事前チェックは、単に音出しだけでなく、結線部のチェックも必要と認識を改めた次第です。ラインケーブルについても事前の通電チェックを全数行った方が安全ですね。ふむー。。。。とはいえこれ結構手間のかかる作業です。まあ安全のためには仕方ないのですが。。。。

[その後-2- 2014.11.15]

PW Amp(SUB) の保護回路が作動して、片チャンネルしかパワーがかけられなかったのは、機械の故障ではなく、PW Amp(SUB) が SPケーブルのショートを検出して保護回路が作動したわけですから、全く正常だったわけですが、当初はてっきり機械の故障だと思ってしまいました。で。。。さっそく購入先に問い合わせたら、パワーアンプは消耗品だから4年も使えれば十分で、修理よりも買い替えた方が良いですよとアドバイスされました。うーん、○○○○ハウスさんの製品はそんなものかと考えさせられた次第です。

今使っているのは、メインアンプもサブアンプも CPシリーズで、3年〜4年使っています。使用状況や頻度に依るでしょうが、アドバイスに従えばそろそろ故障してもおかしく無いと考えたほうがよさそうです。来年の PA活動をこのままの機材でいくのはちょっと心配ですね。特にメインアンプが故障して音が出ないということになると致命的です。やっぱりコストはかかっても信頼性の高いアンプが必要だと考え、機材を物色。小型軽量でも大パワーの最新D級アンプも魅力ですが、最近値段が下がっている YAMAHA P5000S を選びました。サイズは一般的な 2U ですから、CP1200 と殆ど同じ、重量は 12Kg で、D級アンプに比べたら倍近いですが、CP1200 に比べたら圧倒的に軽いですね。これなら苦労なく横持ちできます。ということで、信頼の YAMAHA パワーアンプを追加しました。

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[SPケーブルの種類と長さによるSP出力とDFへの影響]

作成:2015年06月12日
修正:2015年06月15日

PAに使用するSPケーブルはどれぐらいの長さが実用上の限度なのか、以前から気になっていました。通常、ケーブル長は 10m〜20m で十分収まりますが、広い会場でステージから離れた場所にサブSPを設置するとなると、30m〜40m のケーブルがどうしても必要になります。市販されているスピコン付ケーブルでは最長30m(CLASSIC PRO)のものがあるのと、使用経験から言って 40m ぐらいまでなら実用上問題なさそうです。ネットで調べてもおおよそ 30m〜40m 程度までの使用では問題ないようですね。

では、50m を越えて使用するとどうなるのか、またケーブルは扱いやすさと価格を考慮して CANARE 4S6 を使用しているのですが、本当にこれで大丈夫なのか、など疑問が残ります。そこで、素人レベルの電気的知識をもとに大胆にもケーブルの種類(性能)と長さがSP出力やダンピングファクター(DF)に与える影響について、シュミレーションしてみました。基本になる理論式は、V=IR, W=VI の二つだけです。ふむー。。。専門家が見たらとんでもないシュミレーションと云うかもしれません。

結果を説明する前にまずは前提となる理屈(素人考えです)を紹介します。なお以下では「インピーダンス(交流抵抗)」と単なる「抵抗」を同義で用いているので留意願います。

<パワーアンプ(YAMAHA P5000S)の仕様>

  定格出力/CH(電力)=500W
  出力電圧=√(定格出力*8)=63.2V
  電流=√(定格出力/8)=7.9A
  ダンピングファクター(DF)=350(以上)
  出力インピーダンス=8/DF=0.0229Ω  となります。ここで、定数「8」は SPのインピーダンスです。
  (注) DF の定義は (SPのインピーダンス)÷(アンプの出力インピーダンス) 

<等価回路>

等価回路図    http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm#Cable によると
SPケーブルの導体抵抗(Rc)と線間静電容量(Cc)、及び SPのインピーダンス(Rsp)の等価回路は左図のようになります。Cc と Rsp は並列ですから、RC並列回路のインピーダンス - 高精度計算サイト を使ってインピーダンス(交流抵抗)を求めます。CANARE のホームページには、ケーブルの導体抵抗と線間静電容量の値が公表されていて、4S6ケーブルでは Cc=125pF/100m です。Rsp=8Ω、周波数 f=1KHz とすると、インピーダンス=7.9999999998421Ω、つまり Cc のインピーダンスへの影響は無視できます。従って、この等価回路では SPケーブルの抵抗とSPのインピーダンス(8Ω)が直列につながっていると考えてよいことにまります。
<ケーブルの抵抗>

  上記より、ケーブルの抵抗=ケーブルの導体抵抗

  なので、CANARE のホームページに掲載されている、ケーブルの導体抵抗の値を計算に用いました。

<実際に流れる電流>

  実際にパワーアンプから流れる電流は、SPの抵抗だけでなくケーブルによる抵抗も考慮しなければなりません。これを式にすると

  実際に流れる電流=アンプの出力電圧/(SPの抵抗+ケーブルの抵抗)  となります。

<SPに投入される電力、パワーロス、SP音圧低下>

  SPに投入される電力=実際に流れる電流の2乗*8  となり、ケーブルの抵抗の影響で定格出力より小さくなります。

  パワーロス=(1−SPに投入される電力/アンプの定格出力)*100

  SPに投入される電力∝SPの出力 として、この差を dB 単位に換算すると

  SP音圧低下=10*LOG10(SPに投入される電力/アンプの定格出力)  となります。

<実際のダンピングファクター(実効DF)>

  パワーアンプの本来の DF は 350以上ですが、ケーブルの抵抗が加わると DF は大きく低下します。その式は

  実効DF=8/(アンプの出力抵抗+ケーブルの抵抗)  となり、アンプの出力抵抗が小さい程、ケーブルの抵抗の方が支配的要因になります。

<シュミレーション結果>

上記前提を基に、ケーブルの種類と長さの違いにより、パワーロス、SP音圧低下、実効DF がどのように変化するかシュミレーションしました。
結果を下表に示します。。

SPケーブルの影響

ケーブルの種類は、KANARE 4S6, 4S8, 4S11 の三種類。ケーブル太さは各々 6mm, 8mm, 11mm、10m当りの重量は各々 540g, 950g, 1,600g ですから、可搬性、取扱い性を考えると、4S8 あたりが限度でしょうね。

ネット上のある技術資料では、パワーロスが10%以内になるよう、SPケーブルの線径と長さを選択すべしとあります。この基準で見ると、4S6 では 10m、4S8 で 30m、4S11 なら 50m くらいが限度です。4S6 40m 使用はパワーロスが 約30% だからとても無理という結果です。しかし実用面では SPの音圧低下が問題であると考えると、4S6 の 40m 使用で -1.5dB ですから、好ましくはないけれどなんとか許容できる範囲ではないかと都合よく考えたくなりますね。4S8 なら 40m 使用でも -0.6dB ですから全く問題ないでしょう。

次にダンピングファクター(DF)について考えて見ます。どんなにパワーアンプの DF が高くても、ケーブルの抵抗が加わると一気に実効DF は低下します。DF が低いと低音の締りが無くなると言われていますが、どれくらいの実効DF なら問題が生じるのかよく判りません。まあこれは、経験的に判断するしかないです。いずれ機会があれば、10m と 40m の比較テストをやってみるのもいいかもしれません。

結論的に言えば、長尺SPケーブルには 4S8 あたりが可搬性、取扱い性、性能の面でバランスが良さそうです。しかし、4S6 で折角揃えたSPケーブル(20m x 4本)を 4S8 に取り換えるのは今さらできないので、このまま 40m を限度に使い続けるという結論に至りました。

[その後]

SPケーブル 10m と 40m の比較を早速やってみました。いずれ機会があればと思ったのですが、この程度のテストならすぐにできてしまいました。以下テスト条件です。

音源    :iPod(モダンジャズカルテット) ステレオ出力
ミキサー  :XENYX X1204USB ステレオ入力→AUX OUT(MONO出力)
パワーアンプ:CLASIC PRO CP600 入力L→R 出力 12時
       左チャンネルケーブル長:40m(20m+20m)→左SP
       右チャンネルケーブル長:10m     →右SP
スピーカー :CLASIC PRO CSP10

結果は、ほとんど違いが判らないです。敢えて違いがあるかもしれないと思って聴くとあるかもしれないというレベルですね。まず音質ですが、左チャンネル(40m)の方が高音がおとなしく、低音が少し大きいかもしれないです。音量はやっぱり右チャンネル(10m)の方が少し大きいかもしれません。左右のスピーカーの音が中央に定位するようパワーアンプの左右ボリュームを調整すると、右チャンネルの方が少し控えめになりました。まあ 10m と 40m で違いがあるとしてもほとんど判らないというのが結論です。従って CANARE 4S6 の 40m 使用(20m+20m)は実用上特に問題ないという結論となりました。

[さらにその後]

念のために、左右のチャンネルとケーブルを入れ替えて見ました。今回は左右の違いは全く判りません。ということで結論も変わらずということです。

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[パワーアンプの入力感度と出力について]

作成:2015年06月17日
追記:2015年08月19日

今年になって、パワーアンプを CLASSIC PRO CP1200 から YAMAHA P5000S に変更したのですが、どうも P5000S の方がパワー(音量)が低いように感じています。仕様書のパワーは、CP1200 が 450W、P5000S が 500W なので、P5000S のパワーが小さく感じるのはどうも納得いきませんでした。で。。。じっくり仕様書を見てみると、どうも入力感度が少し違っています。CP1200 は +4dBu、P5000S は +6.4dBu、その差は 2.4dBです。この差はかなり大きいですね。そこで、仕様書データから見た入力感度、電圧利得(GAIN)、出力の関係を P5000S と CP1200 で比較して考えてみました。

「表1」は仕様書データと一部計算値を用いて比較したもの、「表2」は ミキサーからパワーアンプへの出力レベルを +4dBu に合わせた場合の比較です。

表1.仕様書データによる比較
特性 計算式 P5000S(X) CP1200(Y) 差(dB)(X-Y)
入力感度(dBu) A 6.4 4.0 +2.4
GAIN(dB) B 32.0 33.8 -1.8
出力電圧(dBu) C=A+B 38.4 37.8 +0.6
出力電圧(V) D=0.775*10^(C/20) 64.5 60.0  
出力(W) E=(D^2)/8 519 450 +0.6
   表2.同一入力レベルによる比較
特性 計算式 P5000S(X) CP1200(Y) 差(dB)(X-Y)
入力(dBu) A 4.0 4.0 0.0
GAIN(dB) B 32.0 33.8 -1.8
出力電圧(dBu) C=A+B 36.0 37.8 -1.8
出力電圧(V) D=0.775*10^(C/20) 48.9 60.0  
出力(W) E=(D^2)/8 299 450 -1.8

「表1」から解るように、P5000S は入力感度が CP1200 より高く設計されていて、その差は +2.4dB、GAIN差は -1.8dB ですから、出力差 は +0.6dB となります。一方ミキサーからの出力条件が +4dBu で同一とした場合の結果を「表2」に示しました。入力差は 0dB、GAIN差は -1.8dB ですから、出力差は -1.8dBとなります。つまり、出力差を 0dB とするには、ミキサーから P5000S への出力電圧を 4dBu+1.8dBu=5.8dBu に上げる必要があり、P5000S の能力をフルに活かすにはミキサー出力をノミナル(通常 +4dBu)より高くしなければならないということです。今までと同じ条件でミキサー出力していたら、P5000S の出力が CP1200 より低く感じるのは当然ですね。

ふむー。。。。一応納得。しかし何故 YAMAHA はこんな設計しているのかちょっと疑問が残ります。ちなみに、P7000S の入力感度は +8dBu ですから、パワーアップを GAIN アップではなく入力感度アップで稼ぐという考え方のようです。GAIN を大きくした場合のデメリットの制約があるのかもしれません。

[追記] 2015.08.19

新しく導入した QSC PLX1104 と 従来使用の CLASSIC PRO CP600 及び YAMAHA P5000S を比較してみました。

特性 計算式 CP600(X) P5000S(Y) PLX1104(Z) 差(dB)(Z-X) 差(dB)(Z-Y)
入力感度(dBu) A 4.0 6.4 3.7 -0.3 -2.7
GAIN(dB) B 30.3 32.0 32.5 +2.2 +0.5
出力電圧(dBu) C=A+B 34.3 38.4 36.2 +1.9 -2.2
出力電圧(V) D=0.775*10^(C/20) 40.0 64.5 50.0    
出力(W) E=(D^2)/8 200 519 313 +1.9 -2.2

今後、P5000S をメインSP、PLX1104 をサブSP に使うとすると、同じミキサー出力では入力感度差が 2.7dB もあることに注意が必要になります。仮に P5000S の能力をフルに活かそうとしてミキサー出力を +6.4dBu まで上げると、PLX1104 では入力感度より 2.7dB も高い信号が入力されるので、明らかにアンプには危険です。逆に PLX1104 の入力感度に合わせて ミキサー出力を +3.7dBu に抑えると、P5000S の能力が 100% 活かしきれません。ふむー。。。困った問題ですね。パワーアンプの入力感度はやはり標準の +4dBu に統一してもらいたいものです。ミキサー出力を標準の +4dBu(ヘッドルームは +8dBu) にするとして、実際にはパワーアンプのアッテネーターを 0dB(フル出力)にすることはまずないので、P5000S の方は アッテネーターを -2dB〜-3dB、PLX1104 の方は アッテネーターを -4dB〜-5dB として使うのが無難なように思っています。

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[石山寺納涼盆踊りの音響を終えて]

作成:2015年08月19日

昨年は雨で中止になった石山寺納涼盆踊りですが、今年は天候に恵まれ無事決行。この規模の音響は昨年のドラゴンハットでの収穫祭以来です。櫓を中心に四方に音を飛ばすだけでなく、約100離れた場所にも SP を設置して瀬田川に向けて音を飛ばしたいとの主催者のご要望にも応えました。使用機材はいつも通りなので特に説明はしませんが、100m近く離れた場所の SP は CLASSIC PRO CSX10P(550Wパワード)とし、33m の XLRケーブル 3本でつなぎました。音はしっかり出ていていい感じです。レイアウトは以下のようになりました。今回は何のトラブルもなく、私も安心して江州音頭を一席やらせてもらいました。

石山寺音響レイアウト

ですが、ちょっと気になったのが音響機材(ミキサー、アンプ等)の設置場所と熱対策です。日差しの向きを考えないでやや西向きの位置に機材を設置したため、西日がもろに当りました。うーん、機材の事を考えたら反対側に設置して多少でも櫓の日影を選ぶべきでした。イベントも中盤にさしかかり、江州音頭の出番も終わったので、ちょっとほっとした気分で機材の状況をを監視。パワーアンプが時々クリップしています。演者が気付かない程度に少しだけミキサー出力を落としました。で。。。CLASSIC PRO CP600 の筐体を触ってびっくり、かなり熱くなっています。いやー、これで最後までアンプがもつだろうか、不安がよぎりますがそのまま続けるしかないですね。一方の YAMAHA のアンプは全く涼しい顔です。消費電力、筐体サイズ(1U or 2U)、冷却ファンの能力などが機材の温度上昇に関係してのいるでしょうが、CP600 をこのような苛酷な環境で使うのは避けるべきと思いました。

で。。。やっぱり CP600 に代るパワーアンプを物色することに。。。。その条件は? 筐体は 2Uサイズ、パワーは 250W〜300W(8Ω)/CH、冷却機能がしっかりしているもの(自動コントロールファン付き)、一流メーカー、音の評判が悪くないもの、価格はできるだけ安く、等々。最終的に選んだのは、QSC PLX1104、重量が 5.9Kg と驚異的な軽さです。せっかく買い替えるのだから、軽くて、コンパクトというのも大きな魅力でした。お値段の方は パワーの大きい YAMAHA P5000S より高くなってしまいましたが、まあ仕方ないですね。音質は、CP600 と比べるのは気の毒ですが、自宅でのテストでは低音がタイトで、高音が綺麗になっているようです。これなら夏場の屋外イベントも少し安心ですね。うーん、アンプは軽くなりましたが、財布も随分軽くなってしまいました。

PLX1104写真1    [追記]
ちょっと自慢気にPLX1104 と P5000S の比較写真です。フロントパネルの配色はどちらかがまねしたかと思う程にシルバーとグレーで似ています(YAMAHA の方が少し濃いですが)。フロントから見たサイズは全く同じですが、ガードが P5000S の方が大きく前に出ています。出力は P5000S が 500W(8Ω)/CH、PLX1104 が 325W(8Ω)/CH です。
 
PLX1104写真2 斜め後方から見ると PLX1104 の奥行が驚くほど短いです。本体部分の奥行を計ってみたら、PLX1104 の方が 135mm 程短いですね。重量も P5000S の 12Kg に対して、PLX1044 は 僅か 5.9Kg ですから、圧倒的に軽量、コンパクト。もうすぐ69歳になろうという私には、とっても優しいアンプですね。末永く使いたいものです。

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[SHARK FBQ100 をテストする]

作成:2015年09月11日

縦長の広い会場で、ステージから 20m〜30m 後方に遠隔SP を設置するような場合、どうしてもステージ前のメインSP と遠隔SP の間に音の時間差が生じます。計算上は、遠隔SP の前ではメインSP の音が 60〜90msec 遅れて聞こえるので、少しディレイがかかった音に聞こえます。メインSP の音は小さくなっているので気にしなくてもいいかもしれないのですが、屋根付きの大型運動場など反響の大きい会場では音が不鮮明になるのではないかと考え、遠隔SP の音を遅らせるディレイ機能のある機材を物色しました。

一般にディレイというと、エフェクターを意味していて、原音にディレイ音をミックスすることが前提になっています。原音にディレイを掛けるだけの単機能の機材は一般にはディレイラインと呼ばれていて、音響に使われる機材は意外とないのですね。調べると ROLAND DL-2040 という単機能の機材があるのですが、すでに製造中止になっていました。

ディレイライン機能を持った音響機材としては、デジタルチャンネルデバイダーがあります。3WaySP などをマルチドライブするための機材ですが、SPユニット毎の位相差を調整するために、極短時間のディレイ機能が必須なので、ついでの機能として msec単位(〜1000msec程度)のディレイ機能が装備されています。最近のデジタル音響機材は、多くの機能を統合的に装備しているのは大変便利なのですが、特定の機能しか使わない場合、とてもコストパフォーマンスが悪くなるのが難点ですね。

で。。。。チャンデバを使うことは諦めました。となると、うーん適当な機材が見つかりません。ようやく見つけたのが、これ BEHRINGER SHARK FBQ100 です。BEHRINGER の高級?(ちょっと値段の張る)機材はあまり使う気がしませんが、低価格、簡単機能の機材には、他社が手がげない意外と面白いものがあるのは魅力です。これ、1CH ですが、ライン・マイクが使えて、LOW CUT FILTER、GATE、COMPRESSOR、FEED BACK DESTROYER、DELAY と結構色々な機能が装備されています。その上手頃な値段が一番の魅力です。

早速購入してテストしてみました。果たして使えるものかどうか、以下その結果です。
 

FBQ199写真1
 
FBQ199写真2
  

左上の写真で判るように、縦横サイズはタバコのパッケージとほとんど同じで、奥行も12cm 程度ですから、とても小さい機械です。電源は 18.2V と 12V の 2本 を供給する外部電源(ACアダプター)なので、多分専用電源ですね。コードが結構長いので本体以上に電源コードが嵩張ります。左下の写真が、本体前面を拡大したものです。

テスト結果(評価)を書く前に、全ての機能が適正に利用できるように操作方法を以下にまとめました。総じて BEHRINGER のマニュアルは解りにくいですが、これも例にもれず解りにくく、英文マニュアルとボタン操作・表示・作用状況を逐一確認しながら書いてみました。しかし、ひょっとして誤りがあるかもしれません。

<LEVEL METER>
左上にあります。CLIP LED が点灯する場合は、CLIP LED が消灯するまで右横にある CLIP LEVEL摘みを右に回します。この CLIP LEVEL摘みの位置は入出力には関係せず、LEVEL METER の表示を調整するだけです。マイクの GAIN を調整する場合(裏に GAIN調整摘みがあります)は、CLIP LEVEL摘みを中央にしておくと、LEVEL METER が正しいマイク入力レベルを表示します。

<DELAY>
中段左が設定ボタンです。ボタンを押すと DELAYパラメーター値がディスプレーに表示されます。単位は、msec or feet or meter で DELAYボタンを押すごとに単位が切り替わります。値の範囲は 0〜2,500msec or 0〜2,818feet or 0〜859m です。「0」はDELAY無効を意味します。値を調整するには、その右側の DOWNボタン or UPボタンを押します。値を素早く増減させるには(例えば値を大きくする場合)、UPボタンを押した状態で、DOWNボタンを押すと値の増加スピードが上がります。 3回〜5回くらい押すとかなり早く値が変化するので、粗々設定してから、一度 UPボタンを離し、もう一度 DOWNボタン or UPボタンを押し続けて微調整します。この調整方法は他のパラメータ設定にも共通です。

<LOW CUT>
下段左端が設定ボタンです。ボタンを押すと LOW CUT周波数(Hz)がディスプレーに表示されます。範囲は 20〜150Hz。DOWNボタン or UPボタンで値を設定します。20Hz の状態で DOWNボタンを押すと「OFF」が表示されて、LOW CUT は無効になります。LOW CUTボタンを長押しすると(最上段の DISPLAY MODE LED が順番に点灯〜消灯するまで)、設定が LOCK されます。LOCK を解除するにはもう一度 LOW CUTボタンを長押しします。

<GATE>
下段左から2番目が設定ボタンです。ボタンを押すと GATE dB値がディスプレーに表示されます。範囲は -96〜-44dB。DOWNボタン or UPボタンで値を設定します。-96dB の状態で DOWNボタンを押すと「OFF」が表示されて、GATE は無効になります。GATEボタンを長押しすると(最上段の DISPLAY MODE LED が順番に点灯〜消灯するまで)、GATE LED が点滅し GATE dB値が自動検出モードになり、GATE LED が点灯状態に戻ると GATE dB値が確定します。

<COMPRESSOR>
下段中央が設定ボタンです。ボタンを押すと圧縮強度(0〜100) or アタック・リリース時間(10〜1,000sec) のどちらかが表示されます。アタック・リリース時間が表示されている時は、最上段の DISPLAY MODE の msecLED が点灯します。もう一度ボタンを押すと表示が切り替わります。いずれも DOWNボタン or UPボタンで値を設定します。圧縮強度「0」は COMPRESSOR無効を意味します。圧縮強度によるレベル設定が通常の1ノブコンプレッサーと同類と推測すると、圧縮強度は「30〜40」程度が音質劣化面で安全でしょう。アタック・リリース時間は、両方のパラメーターを個別に設定できないので、どちらかを優先するか、中庸をとるかしかありません。コンプレッサーの素早い作用と適度なリリース時間を考慮すると 10〜20msec 辺りが、大きな音質変化もなく無難なようです。

<FEED BACK DESTROYER FILTER>
下段右から2番目が設定ボタンです。ボタンを押すとFB検出感度(1〜100) or フィルター強度(-3〜-48dB) のどちらかが表示されます。もう一度ボタンを押すと表示が切り替わります。いずれも DOWNボタン or UPボタンで値を設定します。FB検出感度「1」は FILTER無効を意味します。FILTERボタンを長押しすると(最上段の DISPLAY MODE LED が順番に点灯〜消灯するまで)、FILTER LED が点滅し固定フィルター数が表示されます。通常「9」ですが変更する必要はないでしょう。変更は DOWNボタン or UPボタンで行います。

次にもう一度 FILTERボタンを押すと FB周波数を自動検出し、固定フィルターを設定するモードになります。右端の12個の FBQ FILTER LED が点滅し、固定フィルターがセットされるとそのフィルター番号LED が点灯します。固定フィルターの数を例えば4個に留めたければ、No4LED が点灯したところでもう一度 FILTERボタンを押します。残りのフィルター番号LED は点滅状態ですが、これは固定フィルターではなく ACTIVE FILTER として機能し、新たな FEED BACK が検出されるとその都度フィルターが追加されるものです。

*** 注意 ***
固定フィルター設定モードを実行中は出力が大きく低下する(設計がそうなっている)ので、演奏中などにこれを実行すると適正な音量が得られません。固定フィルター設定モードは、イベントなどが始まる前に行っておく必要があります。

<ACTIVE FILTER>
下段右端が設定ボタンです。ボタンを押すと作用していない全ての FBQ FILTER LED が点滅し、固定フィルターに加えて、新たな FEED BACK が検出されて ACTIVE FILETR が設定されます。もう一度 ボタンを押すと、未だ作用していない FBQ FILTER LED が消灯し、新たなフィルター追加を中止します。使用するフィルター数を制限したい時は、有効なフィルター(FBQ FILTER LED 点灯中)が所定の数になったところで ACTIVEボタンを押せば、フィルターはそれ以上増えることはありません。

また、ACTIVEボタンを長押しすると(最上段の DISPLAY MODE LED が順番に点灯〜消灯するまで)、全ての固定フィルターと ACTIVE FILTER が取り消されて、FBQ FILTER LED が消灯します。この状態からフィルターを復活させるには、もう一度 ACTIVEボタンを押します。全ての FBQ FILETR LED が点滅し、全てのフィルターが ACTIVE FILETR として作用します。(演奏中に固定フィルターを設定するのは、前記したように音質の問題を起こすので避けるべきです)。

<機能と音質評価>
まずは主目的のディレイラインとしての機能を確認しました。設定パラメーターは1種類だけですから操作は簡単です。原音用SP とディレイ音用SP を並べて音を聴くと確実にディレイ音が遅れて出ています。設定値を大きくすれば当然ディレイ音は更に遅れて出ます。問題なく使えますね。室内テストなので、音量は PA現場に比べれば圧倒的に小さいですが、ディレイ音単独で聴いても特に音質の変化は感じられません。これなら一応合格ですね。使い方としては、ミキサーとパワードSP、またはミキサーとパワーアンプの間にバランスケーブル(XLR or PHONE)で挿入します。

その他の機能で仮に使うとしたらモニターSP用のハウリング防止です。パワードSP から 1m のところにマイクをセットし、適当なボーカル音(演歌 or フォーク)を通常の部屋で聴く音量で流します。ミキサーのマイクゲインを最大にすると、CHフェーダーが -10dB 辺りでハウリングが始まります。ここで本機をミキサーとパワードSP の間に挿入してハウリング防止効果をチェックしました。ハウリング検知感度は最大100、フィルター強度は -24dB とかなり極端に設定しました。この条件でもハウリングが発生するとすぐにはおさまりませんね。固定フィルターを目いっぱい使っても、固定フィルターと ACTIVE FILTER を6個ずつ使っても即効性は大して変わりはないです。概して、フィルターの使用は6個位にしておけば音量低下は感じられないですが、12個をフルに使うと少し音量低下を感じます。ハウリングに対する即効性はあまり期待できませんが、概ね 5dB 程度のハウリングマージンが上乗せできそうです。実際の使用条件は、固定フィルター4個程度+ACTIVE FILTER 2個程度、感度は70〜80、フィルター強度は -12dB 位が音質を損ねず、そこそこのハウリングマージンを稼ぐのに有効かな???という感じですね。

マイク1本、パワードSP(出力550W) 1本、ミキサーなしという超簡便機材で PA をやるとしたら、本機は有効かもしれません。マイク⇒本機(マイク入力/ライン出力)⇒パワードSP とつなげば一応 550W レベルの音響システムになります。そうなると、LOW CUT FILETR、GATE、COMPRESSOR、FEED BACK DESTROYER すべて有効活用できます。ちなみに、前記したように COMPRESSOR は、圧縮強度 30程度、アタック・リリース時間 20msec程度が無難な使い方でしょう(強い圧縮は音質を損ねるので)。これくらいの条件なら音質上の問題はなさそうです。

最後に、ちょっと気になるのが機材の発熱ですね。小さい機械にしてはかなりの熱を持ちます(特に側面)。夏場の屋外環境で確実に使えるか注意が必要です。日影に設置するなどの対策が必要でしょう。

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